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2011年5月26日木曜日

サッカー日本代表「君が代」に敗れる


[リオデジャネイロ=時事]ワールドカップ準決勝、日本対ブラジル戦は0対1で日本が敗れました。日本チーム悲願のベスト4進出は実現しませんでした。エースストライカーの金本が代表チームを外されたため、日本チームの決定力不足を来たしました。それが敗北につながったのです。


 5月20日のフランス戦では金本のハット・トリックがあり4対1で快勝しました。ところがゲーム直後の国歌演奏時、金本選手が「君が代」を歌っていない指摘がありました。「君が代斉唱法」違反だと金本選手を批判する声があがりました。21日のテレビのワイドニュースはこの話題でもちきりになりました。橋下首相は「代表選手が、日本国民の愛国心の象徴である君が代を歌わないことなどありえない」とコメントしました。翌22日、日本サッカー協会は自主的判断として「金本選手を代表から外す」と決定しました。

 日本維新の会は4月の総選挙で大躍進し過半数を獲得しました。5月の特別国会で公務員とスポーツの日本代表選手に君が代の斉唱を義務付ける「君が代斉唱法」を上程・可決しました。橋下首相は「日本代表選手は国家を代表して大会に参加をするのだから、国歌斉唱は当然である。内心の自由とは関係ない」と述べました。

 以前より金本選手が「君が代」を歌っていないとの噂がありました。25日ブラジル戦で金本選手の口元がテレビ映像で大写しになり、「やはり歌っていない」と各方面から指摘されたのです。

 金本選手はこれまで「君が代」問題では発言を避けてきました。今回の代表外しの決定についても、「自分は日本で生まれ、日本が大好きです。日本代表チームを誰よりも大切に思っている」とだけコメントしました。

 3万人のサポーターが日本チームの惜敗を横浜日産スタジアムで衛星中継を観戦していました。観客は試合終了後その場を立ち去らずカネモト・コールを続けました。サポーターの中にも「君が代」についての様々な意見があるでしょう。でも代表チームを愛し日本を愛する金本選手のこころを疑う人はいません。そしてみんな金本選手が好きなのです。


 現在日本では不寛容・狭量な雰囲気が広がっています。それは国民の中に分裂をうんでいます。その傾向が続けばサッカーの敗北にとどまらず、日本の衰退を招くことになるでしょう。




これはフィクションです。特定の団体。個人をモデルにするものではありません。

2011年5月10日火曜日

放射線と健康

福島第一原子力発電所の事故は健康への不安を抱かせました。
 今回再認識したのは、原子力発電所は災害で緊急停止しても発熱が続くため冷却し続けなければ大事故が起こるという事実です。ブレーキをかけても急には止まれない欠陥自動車のような装置だということがよくわかりました。このような未完成の装置を災害の多い日本で稼働させるのは非常に危険です。原発に頼らないエネルギー政策について国民的合意を作る必要があります。
 健康問題を考えるときに一番大切なのは被爆量です。それを計る単位がシーベルトです。小さな量を表すために。1シーベルトが1000ミリシーベルト、1ミリシーベルトが1000マイクロシーベルトです。
 放射線の人体影響については広島長崎の被爆調査や世界各地の核実験場調査、原発事故調査でいろいろなことが分かってきていますが、まだ結論が出ていないことがあります。
 広島・長崎の原爆投下はシーベルト単位の被爆をおこしました。爆心地で250シーベルト、爆心地から500メートルで60シーベルトと推定されています。7シーベルト以上の被爆で全員が死亡、4シーベルト以上で50%が死亡、1シーベルト以上で急性の放射線障害と後障害がでます。原爆により一瞬でこれだけの過酷な被爆をさせられたのです。広島と長崎を合わせて21万人が死亡しています。
 今回の原発事故はシーベルトの100万分の1のマイクロシーベルトの単位の被爆です。新聞にでている環境中の放射線量の測定値は1時間当たりの放射線量が記載されています。このレベルの被爆では、その放射線に暴露された時間をかけた積算値が問題になります。
 100ミリシーベルト被ばくでがん死の確率が0.5%増えます。100ミリシーベルト以上被ばくでは、線量が高いほど、がん発症率が直線的に増えます。積算100ミリシーベルト以下では癌の増加は認められていないと言う意見と増加するという意見があります。
 環境の放射線測定だけではつかめないのが放射性物質を含む水、食品やちりが口や鼻を通じて体内に入った時の低線量内部被爆の問題です。チェルノブイリの事故では子供の甲状腺癌が増加しました。アメリカでは通常運転している原発周辺で乳がん死が増加しているとの報告があります。その他の癌や疾患へ影響については結論がでていません。
 これ以上被爆を広げないこと、そして被爆をされた方の今後の健康管理が大切です。