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2012年6月30日土曜日

関西電力に勤めるお父さんへ


お父さん毎日のお仕事ご苦労様です。この頃毎日帰りが遅くいつも疲れた顔をしているのがとても心配です。お母さんは、「お父さんは、今お仕事が大変なの」と言っています。朝食の時一緒になっても、ほとんど新聞を読んでいるだけで、昔みたいに「学校どうだ、楽しいか」と声をかけてくれません。

「電気はみんなのいのちと暮らしを支えているんだ」とはにかみながらでも嬉しそうに言う父さんが大好きでした。今も大好きです。僕も将来は子供に自慢できる仕事をしたいと思います。そのために勉強も頑張るつもりです。僕は六年生になりました。新聞も読めるし、テレビのニュースも見ています。この一年お父さんの会社の名前がテレビでよく出てきます。お父さんの会社を悪く言う人もいました。僕はそんな時、「お父さんの会社を悪く言うなら、電気を使わなければいいのに」と思いました。お父さんの会社の悪口を言う人はみんな嫌いです。

お父さん、新しい友達ができました。福島から引っ越してきた山口君です。サッカーが上手で、勉強もできます。親友だと思っています。山口君は、去年の5月にお母さんと小学校2年の妹と3人で大阪へ引っ越してきました。原発事故の放射能から逃げるために大阪に来たそうです。お父さんは仕事があるので、福島の仮設住宅に残っています。もとの家は原発から1kmのところで国の命令で避難したそうです。大事にしていた犬やインコを置いたまま逃げて来たそうです。おばあちゃんも一緒に逃げましたが、一か月後に避難所で亡くなったそうです。妹はよく家に帰りたいと泣くそうです。お母さんは、「こんなことになったのは全部原発のせいだ」が口癖だそうです。山口君は「絶対原発はなくす。勉強して新しい安全なエネルギーを発明する」と言っています。山口君たちをこんな目にあわせた原発はダメです。お父さんには悪いけど、ぼくのお父さんが関西電力に勤めていることを山口君に知られたくないと思っています。知られたら山口君に嫌われるような気がします。

お父さんの会社は福井県で原発を再稼働させるのですね。福井で事故がおこれば、僕たち家族も山口君達みたいに避難することになります。お父さんを置いて避難することになるのでしょう。僕は猫のタマと別れるのも嫌ですが、お父さんと別れるのはもっと嫌です。昨日たくさんの人が再稼働反対でお父さんの会社に押し掛けたそうです。新聞に載っていました。山口君もお母さんと一緒に行くと言ってました。僕も山口君と行けばよかったと思っています。ごめんなさい。

お父さんの会社の社長さんは株主総会で「原発を動かさないと会社はつぶれると」言ったそうです。僕は間違っていると思います。危ない原発を動かし続けるとみんなに嫌われて会社はつぶれると思います。新しい原発は作れそうにありません。古い原発もいつまでも使えません。原発の次を考える時が来ています。電気が大事なことはみんな知っています。安全な電気をつくるために頑張ればみんながきっと応援してくれると思います。

お父さん大好きです。お父さんが好きなお父さんの会社も好きです。だからこそ安全な電気を作る会社にしてください。僕のお父さんは関電に勤めているんだと胸を張って言える会社にしてください。関電につとめるお父さんやお母さんのいる子供たちみんながそう思っているでしょう。

お父さんまた、ガンバの試合に連れて行ってください。

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